
アフリカ諸国は,地球温暖化ガス排出についての取組みが世界的にも遅れており,アフリカは
温暖化や進む環境破壊,森林伐採,動植物種の減少といった気候変動の影響を最も受けやすい地域と考えられています.
干ばつの多発,砂漠化率の上昇に加えて,これまでにない極端な気象パターンも頻繁に観測されており,アフリカ中の人々の健康,食糧保全,ひいては生活の安全をおびやかしています.
アフリカのほとんどの国は,自動車・工業・食料廃棄物・農業,石炭や灯油,薪といった燃料の使用によって排出される
大気汚染物質の規制・削減といったような,気候変動への対策や
効果的な環境保護のための充分な技術やインフラを持っていません.
アフリカでは,とくに農業と工業でオゾン減少物質が広く使用されている上,電子廃棄物(アフリカに廃棄されるコンピュータや電子機械)を燃焼処理しなければならず,これが大気汚染の状態を悪化させ,アフリカの次世代の人々に深刻な健康被害がもたらしかねないと懸念されています. 環境問題については解決力不足で,適切な対策を打ち出すには,技術も執行力も限られてしまっています.
アフリカ諸国は,アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)を通じて,環境問題を優先事項としており,「健全で保護志向の環境ベースこそ,雇用状態の改善,社会・経済の成長,貧困の削減に不可欠である」と認識しています.
NEPADの『環境イニシアチブ』は,「優先的に介入すべき分野」として以下の8つを指定しました.
• 地球温暖化
• 砂漠化対策
• 湿地の保護
• 外来種の侵入
• 沿岸区域の管理
• 越国境保護区域
• 環境ガバナンス
• 資金調達
2007年のNEPAD会議で,アフリカの首脳らは「気候変動や気候の多様化に対するアフリカの社会・経済・生産システムの脆弱さと,対応力不足への深刻な懸念」を表明しました.
2008年5月に横浜で開催された 第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)では,環境問題と気候変動対策が会議の3つの柱のうちのひとつになりました.
TICAD IV参加国・団体は,アフリカ各国を 環境保全におけるイニシアチブ強化のために 国,地域,大陸レベルで支援することが必要であると,総じて認識しました.
TICAD IVは最後に,以下の4つの分野でアフリカ諸国に支援を行うため 日本政府が 単独で,あるいは世銀,EU,国連などの国際機関と共同で着手すべき一連の活動や事業を挙げた,5カ年計画のアクションプランを採択しました.
•:緩和: 京都議定書に続くバリ・アクションプランを基にした国際的枠組みの発展, クリーン開発メカニズムの実行, 持続可能な森林経営と温室効果ガス排出削減(REDD)支援, クリーンエネルギーの利用促進とエネルギーへのアクセスの向上, 電力の利用および有効活用推進のための電力開発・経営の支援.
• 適合: 速報システムなど 自然災害への効果的対策の発展と,干ばつや洪水等の自然災害に対処する地方自治体の権限強化, 過放牧,過耕作,山林伐採の減少化策等,砂漠化対策の発展.
• 水と衛生: 技術移転や専門教育等による 効率的な水源経営の展開, 安全な水と衛生施設の普及.
• 持続可能な開発のための教育: ESD(環境と持続可能な開発プログラム)の導入と実施を通じてのESDの普及, アフリカの教育者向け環境教育のための財政・技術支援拡大
これに加え,TICAD IVでは,日本の包括的『クールアース推進構想』を背景に,日本とアフリカ各国間で協議が行われました. 日本政府は『クールアース推進構想』を基に,これに参加を希望する アフリカを含む世界の国々と『クールアース・パートナーシップ』を確立して,気候変動に各国が一致した取組みで対応すること,さらには現在の京都議定書を越えた国際的温室効果ガス排出の枠組みを打ち出すことをめざしているのです.
また,日本政府は,100億ドルの『気候変動基金』の設立を発表しています. 基金は,アフリカをはじめ 日本の『クールアース・パートナーシップ』に参加している発展途上国が技術移転を受け,よりエネルギーや環境に配慮した国として,気候変動の影響対策や 産業の現代化に向けた計画を実現できるようにするためのものです.
ADCウェブサイトでは,訪れた皆さまに 環境や気候変動といった重要な分野におけるアフリカの進歩・発展について最新の報告をお伝えし,TICADや10億ドルの気候変動基金を通じた 日本政府によるアフリカ支援の情報を提供してゆきます.

